ネットワークの設計・構築(更新中)

お客様の情報基盤を整備するために、ネットワーク構築(広域LAN、基幹LAN、システム共存)を、設計からサポート

LAN配線といっても

 家庭内に引くモデム・ルーター周りのLAN配線から、事務所内に引く机の間やサーバーやプリンタへのLAN配線、ビル内のLAN構内配線と、ケーブルは同じでも実際の作業(工事よりも設計作業において)は大きく異なります。

基幹LANとは?

 ネットワークには、電話回線(または光回線)、ネットワーク機器(モデム、ルーター、スイッチ)、パソコン及び周辺機器等が必要です。これらを繋ぐことにより動作はしますが、大規模になれば、どこに何があるか、どこに繋がっているのかが分かりにくくなってきます。

 このためには、従来の電気設備の設計と同様の設計、及び保守管理が必要になってきます。今までは、動力盤/電灯盤/端子盤と並んでいたものに、情報盤(19インチラック等)が加わる形になります。情報盤は形状が違うために並びませんが、電気系と別の場所でなく同じようにEPSに格納するのが保守上好ましい。

 また、LAN構築が別途工事で、建築/電気/設備工事と同時期でない場合には、建物完成以降のLAN工事において、対処しにくい可能性もある。

 このため電気設備工事に含む、あるいは別途発注であっても建築/電気/設備工事の工程調整会議に参加できる形が、望ましいが、これには施工管理能力が必要になると思われる。(工事を伴わないシステム構築業者の場合に問題が発生する可能性が高い)

  電気設備系統  受変電設備(遮断機・変圧器) − 各棟電気室 − 各階電気室 − 各室

  LAN設備系統  引込設備(ルーター・コアスイッチ) − 各棟スイッチ − 各階スイッチ − 各室

VLAN(仮想LAN)とは?

 ネットワークには、インターネットのように、全員が共有で使う物もありますが、たとえば経理システムのように、特定部門のアクセスに限定されるシステムがあります。

 これで、独立したLANが必要になりますが、パソコンを業務ごとに2台使う事になります。さらに、別のシステムが必要になったり、部門の席が移動した場合は、(おそらく色分けしたLAN配線)の引き回しが必要になってきます。

 特に、病院を始めとする業務システムが複数導入される場合は、こうなる前に対策が必要です。

 VLANとは、1本のLANケーブル(物理的)に、複数のLANケーブル(論理的)の役割を持たせるものですが、LAN配線は同じものです。その役割を行うのが、インテリジェントスイッチ(レイヤー2+、またはレイヤー3)です。

 一般的には、スイッチポート(LANの差込口)ごとに、VLAN番号を割り当てて、該当するポート以外にはデータを流さないという仕掛けになっています。あるポートには、インターネット+業務1+業務3(VLAN番号が3つ割り当て)が割り当てられるので、ここにつながったパソコンは、この3つを使えることになります。

 このため、一般のスイッチに比べると機器価格も高く、設定(設計含む)費用もかかりますが、業務やレイアウト変更時には、スイッチの設定変更だけで対応できるという保守メリットが大きくなります。

 一般的なスイッチ   レイヤー2スイッチ   ショップ等で市販されている物

 付加機能スイッチ  レイヤー2プラススイッチ  VLAN等のレイヤ3スイッチの一部機能を実現した物(インテリジェント、スマート等)

 高機能スイッチ   レイヤー3スイッチ   ルーティング機能を持ったスイッチ(複数システム動作の場合に必要)

VPN(仮想プライベートネットワーク)とは?

 拠点が複数存在する企業においては、拠点間の接続が必要になります。これは、データの共有化というだけでなく、機器の共用化(IP電話、サーバー等の集約)を図ることができメリットあります。

 以前であれば、NTT専用回線とVPN機器という高価な構成でしたが、NTTのグループアクセスのサービス提供により、VPNルーターを各拠点に導入し安価な社内ネットワークが構築できるようになりました。(1対1だけでなく、複数ヶ所を接続できます)

 これにより、VLANでつながれたネットワーク内でのルーティング(インターネット接続の1箇所への集約)など、全体のネットワーク管理が可能になります。

ネットワークの安定稼働とは?

 通常時においては、LANの障害、停電時においては、稼働すべき機器(システム)への電源供給が必要となります。

1.通常時の安定稼働

  LANの障害で、業務が行えなくなる事が、大きな問題になる企業においては、LANの障害検知と、2重化が必要となります。

  これには、VLANと同じく、2重化に対応したスイッチ(レイヤー2+、レイヤー3)が必要になります。配線も2本必要になりますが、一般スイッチでは対応(手動切り替え は可能)ができません。

  スタックと呼ばれる、2つのスイッチの一体化(専用ケーブル)により、通常は2倍の帯域で動作し、1系統に問題が発生すると、そちらを切り離して1台での動作が可能です。コアスイッチのみ2重化、コアスイッチ+棟スイッチまでと、比喩用に応じて、2重化の範囲を変えることができます。

  また、ネットワークだけでなく、電源の2重化を必要とする場合もあります。

2.停電時の安定稼働

  停電時においても稼働が必要なシステムもあります。このためには、(「災害時の電源」参照)基幹LANの稼働と、必要システムを決定します。

  そして、非常電源(電気工事)の負荷として組込み、またその専用配線コンセントも用意しなければなりません。

  ※1 非常用発電機による電源供給は、発電機が起動/安定するまでの時間、電源供給がとまります。(再起動可能機器はOK)

  ※2 瞬時停電してはならない機器に関しては、機器側にUPS等の設置、または非常用電源側に直流電源装置の設置(瞬時特別非常電源)が必要になります。

施工実績

 ・無線LAN、ネットワークカメラ等LAN対応機器工事

 ・建物内情報幹線・情報配線工事

 ・拠点間VPN構築(フレッツグループアクセス使用)

 ・病院内基幹LAN構築(VLAN) 複数業務システムの基盤提供(設計含む)

 ・事務所内ネットワーク工事一式(電源、LAN工事、パソコン、グループウェア導入までの構築一式)